壮年会・マルタの会共同開催発表会   「あなたは食品添加物が好きですか?」  富井邦男  2007年3月18日

 

私は食品業界に30年間近く職業として接しています。
日々の仕事の中で自然に食品の知識を養ってきてますが、特にここ10年近くはスーパーの惣菜部門にかかわり、食品の知識を深めています。惣菜というのはスーパーでの加工品が多く、スーパーの責任で販売しますので、厳しい基準を設けています。
特にうるさく言われるのが原料産地、添加物、アレルゲン表示です。

原料産地は、ここ数年中国からの輸入野菜等に残留農薬、違法薬品使用といろいろ問題があり、中国の原料を使いたくないというスーパーが多いです。ただ現実はほとんどの野菜加工原料は中国産が多いです。それは大変安いからです。次に添加物を極力使わないようになってきています。

最近ではコンビニで「保存料・着色料を使っていません。」をうたい文句で販売している商品が多くなりました。ただこの商品は保存料を全然使っていない商品ではないのですよ。保存料に変わる添加物を使っています。たとえば、酸味料とかph調整剤という添加物です。

次に、ここ数年問題になってきたのが、アレルゲン表示です。この表示は年々厳しくなっています。アレルギー体質の方が該当する物質を知らないで食べると命にかかわる恐れがあるからです。
アレルゲン物質もこんな物までと信じられないくらいあります。昔はそば、さばくらいでしたよね。今では、必ず表示しなければいけない義務品目(5品目)として卵・乳・小麦・そば・落花生があります。推奨品(20品目)としてあわび・いか・えび・オレンジ・かに・キウイ・牛肉・クルミ・さけ・さば・大豆・鶏肉豚肉・松茸・桃・山芋・りんご・ゼラチン・バナナです。驚くほど沢山ありますよね。アレルギー体質の人は増えてきたことも添加物の影響と言われています。
余談が長くなりました。本日は、添加物についてお話したいと思います。
最近の消費者の方々は、本当に食品について大変厳しく見ています。最近でも不二家の賞味期限切れの牛乳を使用した不祥事で大変な騒ぎになりました。賞味期限切れの製品を使う事は、決して許される事ではありませんが、1日位賞味期限が過ぎたからといって身体を壊すほどのことではありません。しかし、消費者の方々は厳しく非難しています。こんなに食品について厳しい見解を持っている消費者が多いのに、あまり関心が無いのは添加物です。

現代社会の食品には実に沢山の添加物が使われています。スーパーでは原材料、産地、添加物、アレルゲン物質の表示には大変厳しくなっています。私も商品を売り込む時は、スーパーの指定された商品カードにそれらの事を詳しく明記します。会社の製品の中にも沢山の添加物が使われているのにはビックリします。商品カードに記入しながらこんなに沢山添加物を使っているのかと後ろめたさを感じる事があります。

皆さん、国が安全と認めている添加物が何種類あるかご存知でしょうか?・・・厚生労働省が認めている添加物は指定添加物が340種、既存添加物が489種、天然香料が612種、一般飲食添加物が104種、全部で1,545種もあります。私も今回調べてみて初めてこんなに沢山の添加物があることを知りました。

まず、添加物というのはいったいなんでしょう。
添加物の用途には大きく分けて3つあります。1つ目は、食べ物を腐らないようにする為の保存料です。食べ物を腐らせないという事は、一般生菌や大腸菌等などの細菌を殺す事で腐敗を防ぐのです。細菌を殺すという事は、毒薬を入れることなのです。もちろん添加物と認められている物質ですから体に害が無い様、摂取量が決められています。これを一日摂取許容量といいます。
一つ一つは身体に害が無い程度の容量といっても、ほとんどの食べ物に保存料が入っています。これだけ毎日の保存料を摂取すれば全然害はありませんと言い切れるのでしょうか?

食べ物を腐らせない添加物として保存料、殺菌剤、酸化防止剤があります。保存料の代表的なものは、ソルビン酸・安息香酸・白子たん白抽出物、ポリイジンなどがあります。ワインなどの酸化防止剤として亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム・ナトリウムなど。
2つ目は、食品の味をよくする旨味調味料・甘味料・酸味料があります。最も多く使用されているアミノ酸等(L−グルタミン酸ナトリウム)、PH調整剤としてクエン酸ナトリウム、グリシン、グルコン酸、酢酸ナトリウム、乳酸等。甘味料として甘草、アスパルテーム、ステビア、サッカリン、サッカリンナトリウム、ソルビット等。
3つ目は、美味しく見せる為の着色料・発色剤です。
着色料としてアナトー色素、カラメル色素、コチニール色素、食用黄色4・5号、食用赤色3号、食用赤色102,104,106号、銅葉緑素、青色1・2号発色剤として硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム
以上の3つの項目が代表的な添加物分類です。

添加物の中には、身体に害があるのではないかというグレーゾーンの添加物があります。発色剤の亜硝酸ナトリウムは染色体異常が認められるとのこと。アメリカではベビーフードへの使用を禁止しています。発色剤の亜硝酸ナトリウムは加熱食肉製品に多く使われています。ハム、ウインナー等の食肉加工食品が代表的な製品です。ウインナーなどは子どもが大好きな食べ物です。特に真っ赤なウインナーは大好物ですよね。もちろん真っ赤な色は着色料です。
安いハム、ウインナーは添加物の宝庫ですね。正直あまり子どもにはお勧めできません。合成甘味料のアスパルテームはラットで脳などに腫瘍がウサギのテストで骨格異常が発生。この甘味料は清涼飲料水、ガム、アイスクリーム等に使われています。
合成甘味料のサッカリン・同ナトリウムは遺伝子損傷性・染色体異常、子宮・膀胱がんが発生。サッカリンは1973年4月に発ガン性の疑いがあり、使用禁止になりましたが同年12月解除になっています。

売場を見てみますと業務用の安い漬物(福神漬・しば漬け・はりはり漬け)等に使われていました。市場で売っている安い漬物類はちょっと見ただけでもサッカリンを使っている商品が沢山ありました。ディスカウント店の安い漬物にも多い傾向です。売場の商品は表示を見る事が出来ますからまだ、選択の余地がありますが、お店や食堂に出ている商品は表示がありませんからかなり怖いです。
さすがに大手メーカーの市販用製品には使われていませんでした。(私が見た範囲では・・・)

安価な漬物製品には次にあげる合成着色料でも危険な物質を使っているのが多いようです。業務用の場合、お店で使う場合は表示することがありませんからどんな製品かわかりません。添加物の中でも一番危険な物質が多いのが合成着色料ですね。特に危険な着色料は次の通りです。
食用赤色2号はラット・うさぎで発ガン。アメリカでは使用禁止。
食用赤色3号は染色体異常・発がん性の疑いあり、ラットで赤血球減少、アメリカ・独・ポーランドで使用禁止になっています。食用赤色102号はアレルギー性の疑いあり、米・カナダ・ベルギーで使用禁止。食用赤色104号・105号は遺伝子損傷・変異原性・染色体異常・発がん性のために多くの国で使用禁止になっています。
食用赤色106号は遺伝子損傷・変異原性・染色体異常・発がん性のために多くの国で使用禁止。食用緑色3号はラットで発がん・染色体異常のために米・EU諸国で使用禁止。食用青色1号はラットで発がんのために米・EC諸国で使用禁止。食用青色2号はラットで発がん・染色体異常。

ビックリしたのは合成着色料を使った商品には子供向けのお菓子類が実に多いということです。大手スーパーの菓子売場からもサンプルとして購入してきましたが、発がん物質の疑いがある着色料がこんなに使われています。氷菓子用のきれいな色が美味しそうなシロップなどは添加物のジュースです。お祭りや縁日でよくたべていますよね。あと真っ赤な杏あめとかいろいろと・・・。
これを知ったら今後は子どもには食べさせられません。
出店で売っている食べ物は表示などついていませんから本当に不安です。

ネットで調べた記事を紹介します。「危ないコンビニ食」山田博士著から「日本人を狂わせた5つの有害物質」の中に書いてあった記事を抜粋してみました。

*イギリス最大の小児科病院グレイト・オーモンド・ストリート病院での調査・研究によると、すぐケンカ腰になったり暴れたり、落ち着きがなく、まったく勉強する意欲さえもたない子供たちに対して食事調査をした。76名の子どもたちを対象に悪い食事を抜いた食事療法を試みた結果、うち81%のこどもたちは際立った好反応を示した。子供たちに大きな影響を与えていたのが合成保存料(安息香酸)と合成着色料(黄色4号)が混ざった食品が最悪だったらしい。

*1937年大阪大学の木下良順さんがタール色素を動物実験に使い、肝臓ガンを作ることに成功したため1964年に日本で許可された24種ものタール色素は,現在11種だけになっています。65年に発がん性で赤色1号、赤色101号が禁止。66年に赤色4号、5号、橙色1号、2号、黄色1号、2号が安全性に強い疑いがあり、黄色3号が発がん性で禁止になっています。

最後に少しでも添加物を食べない方がいいと思いますから。なるべく家庭の手作り料理を食べてください。これが一番安全な食品です。




























         
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