2008年秋期「特別礼拝・修養会」   11月23日(日)〜24日(月)


11月23日(日)
午前10時30分


特別礼拝 説教「種播く人」説教者 池田 裕先生   市ケ谷教会
  池田裕先生プロフィール
筑波大学名誉教授(歴史・人類学系)。中近東文化センター学術局長、同付属博物館長、付属三笠宮記念図書館長。旧約聖書学(古代オリエント学)の碩学。日本オリエント学会理事。
同 4時

市ケ谷教会修養会  会場;ろうきん研修所富士センター(静岡県駿東郡小山町)

5:00  第1講座 「旧約聖書と自然」

17:00 第2講座 「j旧約聖書と料理」

11月23日(月)

8;45  第3講座 「旧約聖書と青春」

10:40 第4講座  質疑応答

  いずれも講師は池田裕先生です。

参加費 大人6000円(宿泊料・食事料)  子ども4000円

 

池田裕先生の講義を聴く いずれの講座も大変興味深い内容でした
ユーモアあふれる楽しい時間 食事もおいしく

汲田神学生による礼拝

さっきまでバックに大きな富士山が見えていました

旧約聖書への旅 
―2008年市ヶ谷教会修養会―点描
                  
           梅 田 満 枝


 十一月二十三日(日)礼拝後から二十四日(月)にかけて、二年ぶりに市ヶ谷教会の修養会が、御殿場の富士山が遠望できる、ろうきん研修所富士センターで開催された。通常、土・日に開催される修養会が日曜・月曜に実施されたのは初めてである。
 講師は池田裕先生、日本における旧約聖書学研究の第一人者で、すでに一九九六年の修養会に先生を講師にお招きしているので二度目のご登場である。
 先生には日曜日の特別礼拝でお説教(題・種播く人)もしていただき、修養会へのプロローグとなった。
修養会会場では、「旧約聖書と自然」「旧約聖書と料理」「旧約聖書と青春」というタイトルで、それぞれ一時間前後のお話をいただいた。先生のお話の飛躍のしかたの面白さ、また私の頓に衰えてきている記憶力のせいで、講義の全容を整理整頓することはできないので記憶に残ったことだけを点描することにする。
先生のお話の中心は、「旧約聖書を理解するためには感性が必要」だということだったと思う。目の前のものに美しさを見出すことが大切だと冒頭からいわれた。
 その言葉を裏付けるように、二日間の講義から池田先生は感性、観察力・想像力の豊かな方という印象を受けた。市ヶ谷教会周辺でも、御殿場への道中・会場周辺でも、周囲の木々、草花に関心をよせ、観察し、採集して、それを元に物語を面白く、想像も交えて語られるから話に引き込まれてしまう。また紀貫之や、松尾芭蕉、その他の歌人の歌からイスラエルの話をされるので興味をそそられる。植物学者のような、日本文学研究者のような博識をもお持ちの方であった。
それぞれの講義の中で、日本の草花や食べ物などを、感性と想像力をもって観察して聖書の中のそれらと比較していくと旧約聖書が楽しいし、旧約時代、イスラエルの人々の生活に触れることもできると言われる。たとえば日本の春・秋の七草から旧約時代の七草(七種)を引き出される。また、七草やその他の日本の食材と旧約時代や現在のイスラエル食材との比較や結びつきを面白く説明してくださった。
 「旧約聖書と料理」のなかで、新約聖書のマルタとマリアの話の箇所で、マルタはイエスさまをどんな料理でもてなしたのだろう、と皆に疑問を投げかけ、イスラエルの食材から当時のもてなし料理を想像して語られる。
マルタとマリアの箇所では話題が飛躍して、脚本作家さながらに、参加者に姉妹の性格や、物語の成り行きなどを想像させていろいろな意見を聞きだされた上で、呼びかけ方(マルタ、マルタ/マルタよ、マルタよ、など)によって、その場の雰囲気や、受け止め方も違ってくると言われる。読み方や読み手によっても受け止め方が違ってくるとおっしゃる。ヘブル語は語彙が少なくて短いので、その場の状況、相手や関係などは呼びかけ方や、言葉のリズムによって表現が変わるそうだ。
最後にサムエル・ウルマン(アメリカ人)の「青春」いう、印象深い詩を読んで下さって講義を締めくくって下さった。先生にトダ(感謝)。トダ・エル(神に感謝)。
 付録一:先生は同姓同名の市ヶ谷の会員、池田裕さんのことを、神さまは市ヶ谷教会に自分の分身を作って下さって、自分の足りない部分を補って下さっているとご謙遜。池田裕さんも先生の期待に応えるように、先生と息のあったやり取りをされていた。
 付録二:ルーテル神学校内に植わっているプラタナスの和名、スズカケ(鈴掛・篠懸)は、謡曲(能楽)に出てくる修験者(僧)の篠懸衣からきているとの話は、謡曲をやっている自分には興味あるひとことであった。

 

 

 

         
Japn Evangelical Lutheran Ichigaya Church (a) 2007  All Rightts Reserved