オルガン製作家 ベルナール・オーベルタン氏 プロフィール
氏は1952年8月25日ブーレイ（東フランス・ロレーヌ地方）で生まれる。彼の木材加工の芸術性は、今なおロレーヌ地方のエルバーンジュにある多くの教会の家具調度一式を手がけている家業によるところ大です。
大学入学資格修得後、ロレーヌのビッチ芸術専門学校及び、ストラスブルク（芸術学校）での３年間の学研の後、短期間オルガン工房で見習いをし、25才にして自らのオルガンのアトリエを開設。
ジュラ県のクルトフォンテーヌのオルガン工房での仕事以外にも、氏は、他のオルガン製作者のために多くのデッサンや文化財保存をも手がけている。
近年では、氏は国立オルガン製作見習いセンターで教鞭をとり、オルガン製作について講義している。また、彼の住んでるクルトフォンテーヌの修道院の修復にも従事している。
1995年、氏は卓越した技術と品質が認められ、フランス国文化大臣よりオルガン製作部門における芸術勲章の称号を授与される。
日本福音ルーテル市ヶ谷教会の新しいオルガンについて
日本福音ルーテル市ヶ谷教会の新しいオルガンは、１９９９年フランスはクルトフォンテーヌにある当オーベルタンオルガン社によって製作された。日本福音ルーテル市ヶ谷教会は渡辺純幸牧師が１９９８年４月、わが社を訪れてオルガンを発注した。オルガンの高さと幅は、日本福音ルーテル市ヶ谷教会礼拝堂（ルーテル市ヶ谷センターホール）に準じて設計された。
オルガンは多様に使用できるよう最小限のストップがついている。いかに小さなオルガンで、いかに大きな曲を演奏するかはおオルガンにとって永遠の問いである。そこで私は小粒ではあるが、すばらしい演奏ができるように考えた。
まず、よいプレヌム、ジュ・ドゥ・ティエルス、リード管、そして様々な音色の可能性が求められる。それは、個性的なパイプと澄んだ響きが溶け合って発音することによってのみ到達できる。
主鍵盤は、Portunal 8' を基礎として築かれている。このレギスター（ストップ）は、半分がプリンシパル族であり、半分がフルート管族からなっており、これによって伴奏としても使うことが出来る。開管に
Montre 4'、Octave 2'、Fourniture III を混ぜて美しいプレヌムを造る。
このプレヌムに更に Quinte 3' を加えると力強くなる。 Tierce 1 3/5' はプレヌムにバロックの色合いをもたらす。
これらのプレヌムに対して、ポジティヴ鍵盤では、Bourdon 8'、Flute 4'、Flute 2'、とQuinte 1 1/3'
が対応する。そして、Quinte はミクスチャーの役割を果たす。Bourdon とフルートは、柔らかい調和をかもしだす。 Flute
2' は光を、愛らしい Dulciane 8' は多くの音色の可能性をもたらす。
ペダルには、低音部のレジスターとして木管の Bourdon 16' がある。木管 Octave 8' と一緒に低音を強める。すばらしい音楽家は、この１３のレギスターから多彩な音色の組み合わせを引き出すことができる。
風箱は電動で、オルガンの下部に位置する。無垢の樫の木でできた第一鍵盤、第二鍵盤用の二つの風箱が上部にあり、これらすべては伝統に則っての手仕事である。
オルガン製作者として、この新しいオルガンが喜びと平安をもたらさんことを祈っています。
Bernard Aubertin,PDG
ベルナール・オーベルタン
クルトフォンテーヌでのオルガン製作
ドール、ディジョン、ブザンソンから等位置にあるクルトフォンテーヌはフランシュコンテ地方（フランス東南部）のジュラ県にあります。ベルナール・オーベルタンのオルガン工房は、1978年の開設にあたり、1137年に建てられたという由緒ある古い修道院（極めてひどい状況にあった）の建物を手入し、氏と妻のソーニャさんの2人でました。
今では、工房にはオルガンビルダー、専任のパイプ製作者、木工細工職人、見習実習生、そして会計など、多くのすばらしい有能なスタッフによって、手造りで伝統的な工法で製作しています。
パイプは、スズと鉛の合金で製造されます。装飾されたオルガンの外枠彫刻をほどこした無垢の樫の木は、教会の広さに合わせて造ります。
ベルナール・オーベルタン氏は、自身もまた楽器の整音をする。氏は、いつまでも変わることなく生き生きとすばらしい音色を創り出すために日夜励んでいます。日本におけるオーベルタン氏の作品
- 聖グレゴリオの家（東京都東久留米市）
- 東京芸術大学（東京都）
- 神戸・夙川カトリック教会（1995年の阪神大震災で崩壊）
- 白根桃源文化会館（山梨県白根町）
- 個人用オルガン（６台）
- 可動式ポジティブオルガン（３台） |
